場所・時間にとらわれない生き方。「サロンワーク巡礼の旅」が人生をより豊かにする。 – 嶋津一馬 / SHAiRE STORY

働き方の選択肢が広がり、美容師の魅力や能力が解放される時代がきました。GO TODAY SHAiRE SALONには、自身の能力を最大限に発揮する『次世代型ビューティシャン』が集まっています。

そんな次世代のビューティシャンたちを紹介し、働き方に悩む美容師・ネイリスト・アイリストの背中を押す、SHAiRE STORY。今回は「サロンワーク巡礼の旅」を通じて、「場所に縛られない生き方」を体現する嶋津一馬さん。嶋津さんの旅の様子や、GO TODAYを選んだ理由、これからの展望について聞きました。

こだわりのあるヘアデザインと
生き方でファンを増やすことが理想

毎月旅をするように全国各地で髪を切る「サロンワーク巡礼の旅」をしています。行き場所は「自分が好きな街」、「気になる街」を軸に決めていて、「来月ここに行きます」「再来月はここに行きます」という感じでInstagramから発信し、そのタイミングで会いにきてくださるお客さまを素敵にするというものです。

初回は福岡でやったのですが、ありがたいことにたくさんの連絡をいただき、予約もすぐに埋まりました。その次は少し思い切ったところに行きたいなと思ったので北海道へ。そこでも意外と予約が入ったので「これはいけるな」と。それ以降、沖縄や名古屋、京都、仙台など8カ所くらい巡っています。

「サロンワーク巡礼の旅」の様子をInstagramで発信することによって、全国各地にいるお客さまが、おもしろがってそれに乗っかってくださっています。

もともと地方からわざわざ来てくれるお客さんが多かったのですが、コロナ禍になって東京には行きづらいという人も増えたので、僕から行くと逆に喜んでもらえる事が増えました。
また例えば10年前に原宿で髪を切った子が大人になりいつのまにか福岡に住んでいて、向こうで髪切りにきてくれた事で再会し、その次の沖縄でも予約して会いに来てくれたなんて事もありました。半年以上も地元の美容室に行かずにいつ来るかわからない僕を待ってくれるお客さんなんかもいます。

ヘアスタイル作りには常に全力投球してますが、サロンワーク巡礼で行く場所は完全に自分本意の気分で決めているのに、こんな風についてきてくれたり楽しみにしてくれる人がいるって本当に幸せな事です。

自分だけのこだわりのある生き方をする事で全国にファンが増えるというのは、僕にとっては理想でした。

旅先で新しい「縁」が生まれ
思い出の地が増えていく

北海道では札幌でサロンワークをしていたんですが、僕のお客さまやその友人知人から「洞爺湖に良いお店と魅力的な人がいますよ」とお薦めされまして。東京で担当しているアーティストのお客さまがいるのですが、その息子さんも洞爺湖のほとりで人気のコーヒー屋さんをしているということで、洞爺湖をキーワードにいろいろとつながったんですよね。

2度目の北海道訪問で、洞爺湖に2日ほど滞在してみたら、本当に素晴らしい体験ができました。移住者が町おこしをしている地域があり、新しい生き方がそこで展開されていたんです。現地のリーダー的な方を紹介していただき、話をすると「シェアキッチンやシェア美容室をつくろうと思っている」とのこと。ゆくゆくはそのお手伝いをすることになるかもしれません。

こんな感じで、「サロンワーク巡礼の旅」を通じて、新たな「縁」が生まれています。

福岡、名古屋に行くときはGO TODAYでサロンワークしています。それ以外ではInstagramで「お借りできる美容室はありますか?」と聞くと、「ぜひうちで!」と言ってくださる方がいて、お言葉に甘えています。僕が訪問してサロンワークをすることが、スタッフの刺激になると捉えてくださっているようです。

GO TODAYも現地のサロンさんも、サロンワークの空気や働き方が違ってそれぞれ良さがあるので、とても面白いですね。

美容室が飽和している今
自分が出店することにまだ意味を見出せていない

もともと僕は原宿のヘアサロンで5年ほど店長をしていました。一つの場所に留まることが苦手なタイプなので、「そろそろ次のステップに移りたい」と考えていたんです。普通に考えたら独立してサロンをつくる選択肢もあると思います。でも、「これだけオーバーストアと言われているなかで、サロンを出す意味があるのかな」と。

そこで一回、サロンから抜けて物事を俯瞰して決めたいと考えていました。そんなとき、すでにフリーランスでやっている友人から「働いた分だけ稼げて納得感があるし、みんなイキイキしている。絶対にやったほうがいいですよ」って勧められたんです。

フリーランスになって良かったのは、コロナ禍においても営業方針を自分の考えに沿ってスピード感を持って決める事が出来た事。僕の場合、オリジナル通貨を作ったりアーティストである妻とライブ配信をしたり、選挙でのプレゼント企画をしたりと、アイデアを即実行に移す事が出来たのはフリーランスの強みだと思っています。

完全週休2.5日で
インプットの時間も充実

GO TODAYでフリーランスになってから「毎日が休日出勤」みたいな気分で過ごしています。休んでもいいんだけれど、好きだから働いているという感覚。ただ、いくらでも予約を入れられるから、最初のころは毎日働いていました。理想の働き方を模索して、今は完全週休2.5日にしています。休日の時間はインプットしたり、サロンワーク以外の活動に充てていますね。

また例えば、唐突にアーティストのお客さまから「明日ライブがあるんだけれど」と言われたときに、予定さえ空いていればいけるし、予約の間隔が1時間空いたらその1時間だけで顔を出しにもいけるし、時間の使い方は本当に自由になりました。これがフリーランスの最大の強みですよね。
それを活かせるかどうかはその人次第だと思います。

普段は原宿のGO TODAYにいるのですが、冒頭でお話ししたように全国各地でサロンワークをしています。地方にもGO TODAYがあるので、スポット利用にはなりますけれど、同じ系列のサロンなのでやりやすいです。各拠点にいるコミュニケーションマネージャーの方がとても親切で、福岡ではとくに親しくしてもらっています。

原宿のGO TODAYにきてくださるお客さまも、「サロンワーク巡礼の旅」に興味を持ってくださっています。「サロンワーク巡礼の旅」はただ髪を切って帰ってくる旅では意味ないかなと思っていて。

昔ヒッチハイクで日本一周したりインドや東南アジア、ヨーロッパをバックパッカーした時に感じたのが「旅は人生の縮図」という事だったんですね。

旅をしてると今の自分に相応しい人や出来事に不思議と出会う。

そんなストーリーを発信し、考え方やセンスに共感してくれる人たちに僕が出会った人やお店、素敵な場所を紹介する事で、自分自身がエンターテイメントのような存在でありたいなと思っています。

だからインスタグラムでは集客は特に意識してなくて、ただ自己表現をする事で僕を気になった人が会いに来てくれるのが最高だなと思っています。

美容師はハサミがあれば
どこでも生きていける

「サロンワーク巡礼の旅」で、せっかく東京から地方に行くのだから、出会ったお客さまをエンパワーしたいという気持ちもあります。お客さまの日常が変わるようなヘアデザインをつくりたい。地方の場合は、次いつ任せていただけるかわからないですから。ただし、エンパワーしたいと思って訪問していますけれど、いろいろな土地に出向き、いろいろな人と出会って、結局は僕が一番パワーをもらっているんじゃないかなと思います。

今後もサロンワークをメインでやっていきますが、ライフスタイルはさらに変化すると思います。まだこれはあくまで仮のイメージではあるんですけれど、子どもが生まれたので、それを機会に地方に移住して、月の半分くらいは東京でサロンワークをするという働き方もありなのかなと。

「美容師はハサミ一本で世界のどこでも働ける仕事だよ」と言われます。けれど、実際に美容師になるとサロンの中ですごす時間が圧倒的に長くなり、自由に働ける仕事であることを忘れてしまいがち。でもフリーランスならどこでも働くことができる。住む場所ですら、どこでもいいんじゃないかと思っています。

そして、ゆくゆくは、自由な働き方で得た知見を、生まれ故郷の滋賀県に還元していきたい。いずれは琵琶湖のほとりで、地域のための活動をすることが僕の夢です。

■プロフィール

嶋津一馬
GO TODAY SHAiRE SALON原宿本店

滋賀県出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒業。1店舗を経てLess is Moreに入社。CODE+LIMの店長を5年勤めたのち、フリーランスに。原宿のGO TODAYに拠点を置きつつも、福岡、札幌、名古屋、仙台、沖縄…と全国各地を旅しながらサロンワークに勤しむ。コンテンポラリーダンスへの造詣も深く、舞台パフォーマンスへの出演やヘッドピース製作など様々な活動を行う。

■Instagram
@kazuma_shimazu